前々回にヤスリがけのハナシをするね～と言って
急にミミエリのハナシを入れてしまった。
今回はヤスリがけのハナシ！
造形をしてきて、ある程度形が見えてきた頃に
ヤスリがけをするよ。
ヤスリがけをするのは表面をきれいにするためだね。
でも私の場合は、まだ全然造形ができてない最初の段階でも
ヤスリがけをすることがあるよ。
それは、ぼこぼこしてる表面が整われていくことで、
形が歪んでいるのがわかりやすくなるからだよ。
例えば、顔を作るとして、
目や鼻や口を作る前のっぺらぼう状態で
おでこほっぺたあごのラインが
きれいに整っているか確認するために
一度ヤスリがけをしたりするよ。
目をつくりこんでから、ほっぺたの高さが
ちがうことがわかったりすると
修正が大変…。
だから全体から細かいディテールへ
作っていくんだ。
私にとって紙やすりでやすることは
デッサンにおける消しゴムみたいなものかな。
表面を仕上げるためというより
粘土（プラス）消しゴム（マイナス）で
足し引きしながら作っていくイメージ。
ヤスリは目の粗いものからだんだん目の細かいものに
していくよ。私は#120 #240 #400って感じに
細かいものにしていくかな。
数字が増えるほど目の細かいヤスリになるよ。
紙ヤスリには＃1000とかもあって
つっるつるにしたかったら
細かい目のやすりを使ってもいいね。
私は筆でアクリル絵の具塗装をするから
塗膜がわりと厚くなりがちなんだよね。
そういう塗装の場合はつるつるにしても
あんまり意味ないしちょっとざらつく
ぐらいのほうが塗装は乗りやすいんだよ。
逆にエアブラシで塗装する人はめっちゃきれいに
仕上げないと傷口が目立つよ～。
小さなフィギュアほど、ちょっとした傷や
へこみが許されないから目の細かいヤスリで
仕上げていく。
大きなフィギュアは、ちょっとした傷を
気にしすぎているといつまでたっても完成しないから
全体的に美しいかを重視するよ。
大きなフィギュアはヤスリがけ地獄…
「これは何かの修行なのかな？」ってぐらい
ヤスリがけ⇔傷へこみの穴埋め
が永遠のように続くんだ…
ちなみに大きい作品（30センチ以上）の場合は
わりと造形があらい時から
#80のやすりでガンガン削っていくよ。
#80ぐらいになるともはや「やする」っていうより
「削る」って感じになる。
大きい作品ほど、大きく歪みがち。
なるべく歪まないために、
大きなストロークで作業できる紙やすりで
全体を見ながら作業をするよ。
ヤスリがけする時の注意は
周りに粉がめっちゃ飛び散るので、
養生をして作業すること。
必ずマスクをすること。
学生の頃は「これぐらいマスクしないでできるし、俺」
とか思いがちだけど、（私は思ってた）
やっぱり身体に良くないからね。
マスクはしようね。
私は粉が飛び散らないように
新聞紙とかで養生した上に
濡らしたティッシュを引いたりするよ。
石扮粘土の粉は濡れると飛び散らないんだ。
粉が飛び散って部屋を汚したくないから
外で作業したくなるけど、風で舞うと
目に入ってきて大変。
作業なんてできないよ。（経験者）
風のない掃除しやすい部屋でやるのがベストかな。
ちなみにユク（実物大の鹿）を作ってるときは、
庭で作業してたけど、
帽子、つなぎ、防塵ゴーグル、防塵マスクで
やってたよ。外でやるならそれぐらいの防衛が
必要かな。風で舞うと全身につくからね。
それでも防塵ゴーグルが粉ですぐ
曇って作業が進まなかった思い出アリ。
ヤスリがけで表面にたまった粉は
絶対にふーっって口で吹いてはだめ！
舞った粉を吸い込んでしまうからね。
外や汚せる作業場でやる時は羽箒やブラシで
粉を落とすよ。
部屋の中でやる時はなるべく粉が舞わないように
水を含ませた筆で粉のついた表面を撫でるよ。
水を含ませた筆で撫でると粉が水に解けて
表面の細かい傷を埋めてくれる効果もあるんだ。
（その代わりに微妙に筆跡は残る）
やすりにくい細かいところは
わたしは筆で表面を整えたりもするよ。
ヤスリがけって奥が深いのだ～。
さて、次回は塗装について話そうね。
